
「当社は提案型営業を徹底しています。」
以前、このように胸を張って断言される会社経営者が、いらっしゃいました。
私は正直少し悪い予感がしたので、その会社の営業マンに同行し、「提案型営業」の様子を拝見させていただくことにしたのですが、やはり悪い予感が当たっていました(苦笑)。
顧客先で実際に営業マンが行っていたのは「提案型営業」ではなく、「押し付け営業」だったのです。
まず前提として、「提案型営業」は顧客が抱える深刻な課題を営業マンが掴めていなければ、成立しません。
顧客は、自社が課題と感じていない事案に対して「当社なら解決します」と言われても、それは「押し付けられた提案」でしかなく、困ってしまうのです。
従って、顧客満足を獲得できる「提案型営業」を行うためには、顧客課題を丁寧、且つ綿密に事前ヒアリングする必要があると考えてください。
逆に言えば、たった一人の顧客先担当者との立ち話で聞いた課題や情報では、その担当者独自の考えや発想に寄るものも多く、顧客先の全社的課題とは大きく異なることも珍しくないのです。このようなレベルで得た課題や情報を、安易に顧客の全体課題と受け止めるのは避けるべきでしょう。
貴方の会社でも「提案型営業」が「押し付け営業」となっていないか、確認してみてください。