
最近、私のお気に入りのフランス料理店が閉店しました。
そのお店は特にランチメニューが秀逸で、2000円程度で前菜からデザートまでのフルコースを
いただけ、特に前菜の盛り込みは華やか、且つ大変美味しいものでした。
では、なぜそのようなお店が閉店したのでしょうか。
私はそのお店へは一人の「客」としてお伺いしていたので、本当の閉店理由はわかりませんが
以下のような推測をしてみましたので、ご紹介します。
その推測とは、上述の通りランチメニューのコストパフォーマンスが大変優れているため、お客さまがそのお店を「ランチで訪れる
お店」という認識で捉えてしまった、というものです(実際にそのお店は多くのメディアで取り上げられましたが、紹介記事の全てが
ランチメニューに関するものでした)。
その結果、ランチ時は盛況でもディナー時は空席が目立つ状況になり得ます。
通常、飲食店にとってのランチメニューは、売上が上がるディナーの時間帯へ誘導するための「宣伝」の位置づけで提供します。
但し、このフランス料理店は、ディナー利用を想像させない位にランチメニューのインパクトが強いため、ランチが同店の「主役」となってしまった可能性があるのです。
優れた腕前のシェフを有していても、やはり売上を積み上げてゆくための戦略が欠けていれば、経営の安定は難しいと言えるのです。